果てしなく続く草原、水道はありません。

――  水は地下から、シャワーは街まで。  ――

前回に引き続き、内モンゴル自治区での遊牧民の、大自然の中での生活様式についてご紹介します。

 これまで「ガスなし、水道なし」とお話ししてきました。前号では、ガスの代わりに乾燥させた牛の糞を燃料として使うことをご紹介しましたが、
今回は「では、水はどうしているのか?」についてお話しします。まず、専門業者に依頼して地下10~20mにある水源を掘り当て、水を汲み上げます。その水を牛や羊、馬に与えます。人間がゲルで使う分は、タンクに入れてゲルの中まで運び、そのまま生活用水として使います。一度汲んでくればそれで半日ほどもつそうです。口に入れる場合は、一度沸騰させてから飲み水として使います。

 お風呂はありません。普段はタオルを水やお湯に浸して体を拭き、清潔を保ちます。しっかり体を洗いたい時は街まで出て、シャワー施設を利用するそうです。ちなみに、トイレもゲルの中にはありません。ゲルから20~30mほど離れた場所に、地面に穴を掘った簡易的なトイレをつくって使用しているそうです。

 あらためて聞いてみると、驚くことばかりです。同じ「現在」を生きている人間なのに、生活様式はまったく違う。この話題になると、話を聞いているだけで時間があっという間に過ぎてしまいます。人間がつくり出した便利なものに囲まれた大都会での生活とは対照的な、大自然とともにある暮らし。なぜかそこには、何とも言えない郷愁を感じます。もっと深く知りたくなりますね。