果てしなく続く草原で、毎朝嗅いでいた故郷の香り。

――  牛の糞を燃料にする、ゲルでの暮らし。  ――

 前回に引き続き、内モンゴル自治区での遊牧民の、大自然の中での生活様式についてご紹介します。

 前々回のブログで、料理やちょっとした暖房には電気を使うとお話ししましたが、前回ご紹介したように、電線が通っていない場所ではどうするのか?!
なんと、乾燥させた牛の糞を燃料として、料理や暖をとるために使うそうです。夏の間に牛の糞を山盛りにして乾燥させながら備蓄し、使う分だけゲルの中に運び、コンロに入れて燃やします。コンロの煙突はゲルの外につながっていて、料理に使うと同時に、ゲルの中を暖めることもできます。そこで気になるのが、その匂いです。もちろん感じ方には個人差がありますが、本人によると、しっかり乾燥させれば、それほど匂わないそうです。燃やす直前のものでも、素手で触って大丈夫とのこと(画像参照)。

 燃やす前の匂い、そして燃やしている時の匂い。毎日、毎朝、当たり前のように嗅いで育った匂いなので、本人にとっては「故郷を感じる郷愁の香り」なのだそうです。私たちにとっては驚くような暮らしですが、自然にあるものを燃料にし、料理をつくり、暖をとる。まさに、大自然と完全に融合した生活と言えますね。
次回もお楽しみに。