上海に事務所を出すきっかけ──
“まずやってみる”文化からの学び

 「許可を求めるより、あとで謝る方が簡単だ」というフレーズは、アメリカの計算機科学者グレース・ホッパーが1980年代に、新しい挑戦を後押しする行動哲学として世界中に引用されたものだと、先日初めて聞きました。GAFAMが世界をリードしていることを考えると、アメリカの国民性にも合致したフレーズだと改めて感じます。
また、中国でもさらに古くから「先にやってから後で報告する」「まずやってから考える」(先斩后奏、先干再说)といった価値観があり、急成長する中国経済のスピード感とも一致しています。
 一方、日本では失敗が評価につながりにくく、根回し・事前承認・失敗回避を重んじるため、「挑戦」より「安全」を優先する傾向が強いようですね。
我々日本人は、場面によってこの行動哲学をうまく使い分ける必要がありそうです。
 ちなみに私も、中国の方々と話しているうちに「まずやってみよう」と思うようになり、実際に上海に事務所を出した経緯があります。