お金を配っても子どもは増えない?

―― フランスと日本、決定的な違い ――

 最近、中国の2025年の出生数が792万人と発表されました。そこで、気になる各国の出生数と、一人の女性が
生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率(TFR)について、最新データをもとに比較してみました。

         出生数    合計特殊出生率(TFR)
  日本   約69万人       1.15
  中国   約790万人      0.98
  韓国   約 24万人       0.75
 アメリカ  約360万人      1.62
 フランス  約 68万人      1.68

 出生数を見ると、中国やアメリカは「多い国」に見えますが、TFRで見ると、5か国すべてが人口維持水準(約2.07)を下回っています。その中で、TFRが1.6台後半のフランスは、先進国の中では最も高い水準を維持している国の一つで、次の世代が再生産される構造を、かろうじて保っている国とも言えそうです。
 フランスが踏ん張れている要因としては、次の点が挙げられます。

□事実婚・非婚出産への社会的受容
□児童手当・住宅手当・保育支援が、第2子・第3子でさらに手厚くなること
□共働きを前提とした制度設計
□家族政策を数十年単位で継続し、政権交代によって大きくブレないこと

 価値観は縛らず、子どもを持つことに伴うコストや不安を下げることに集中した施策だと感じます。
一方、日本はお金だけを配りながら、「家族はこうあるべき」という価値観で縛りすぎているのかもしれません。
2月8日の選挙でも、少子化について語っている人が限られていたことが、本当に残念に思えました。