中国OEM生産成功の秘訣 -SECRET OF SUCCESS-

だれも教えてくれない本当の中国 輸入OEM生産、成功の秘訣を大公開!

中国OEM生産サンプル

中国OEM生産の手順、費用、輸入・通関方法、代行業者の選び方、優良な工場の探し方、現地事務所の設立方法、よくあるトラブルとその回避策など、中国の工場へOEM生産を依頼する際に役立つノウハウを詳しく解説します。

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【1】 中国OEM生産のやり方

 <手順>

  1. 商品決め
  2. 工場調査、サンプル取り寄せ
  3. 最低ロット、価格、リードタイム確認
  4. 貿易費用、為替レート、関税確認
  5. 国内経費、国内運賃確認
  6. 製品原価の確定、販売価格設定
  7. 市場価格と比較、進行検討
  8. 仕様・梱包形態・数量決定
  9. 印刷原稿、台紙、説明書、パッケージ・箱原稿、カートン表示原稿準備
  10. 発注
  11. 入稿
  12. 印刷物校正・形状校正
  13. 印刷開始、印刷立ち合い
  14. 最終サンプル確認
  15. 量産開始、量産立ち合い
  16. 出荷前検品、検品立ち合い
  17. 船便/エア便予約、通関依頼、倉庫予約
  18. 工場出荷、輸入
  19. 倉庫に商品到着、商品確認
  20. お得意先へ納品

上記が中国OEM生産の基本的な流れです。製品の選定や価格設定、数量やパッケージ仕様の調整は、マーケティング視点からの判断が重要になります。近年では、Amazonや楽天などECサイトの最安値を参考に市場価格を設定するケースが増えており、価格競争力のある商品企画が求められます。

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【2】 中国OEM生産の費用

  1. 商品代金(FOB価格・USドル建て)について
    FOB(Free on Board:本船渡し)は、中国でのOEM生産において最も一般的な貿易取引条件です。これは、商品を出荷港で本船に積み込むまでの費用とリスクを売主が負担することを意味します。
    工場の出荷価格は通常人民元で表示されますが、実際のFOB価格は輸出手続き等を含めた金額となり、貿易会社(貿易公司)との取引価格としてUSドルで提示されます。
  2. 中国からの輸送費用(海上輸送・航空輸送)
    海上輸送では、20フィートまたは40フィートのコンテナ単位、あるいは他社製品と混載される場合によって、運賃が異なります。
    また、出発港と到着港の組み合わせによっても送料は変動します。
    航空便では、カートン(箱)単位での請求となり、運送距離や重量によって運賃が決まります。緊急納品時などに用いられます。
  3. 海上輸送保険(損害対策)
    海上輸送では、万が一の損傷や紛失に備えて保険をかけることが推奨されます。
    保険加入の有無、そして売主または買主のどちらが加入するかは事前に確認が必要です。保険は、乙仲業者(通関業者)を通じて加入するほか、保険会社や代理店に直接依頼することもできます。
    輸送中に商品が破損する可能性もあるため、製品の特性や納期の重要度を踏まえ、適切な保険判断が必要です。
  4. 輸入関税(商品ごとの税率)
    輸入関税は、FOB価格に加え一部の運賃を含めた金額を課税ベースとし、商品ごとの関税率に基づいて計算されます。税率は品目ごとに異なるため、事前確認が重要です。
  5. 輸入時の通関手数料(乙仲費用)
    輸入通関では、乙仲(通関業者)による関税申告や積み替え、手続き代行にかかる手数料が発生します。
  6. 倉庫保管料(一次保管時の費用)
    荷物を一時的に保管する場合、倉庫の規定によって入庫・出庫の手数料や保管料が発生する場合があります。直接納品であれば不要な費用です。
  7. 国内配送費用(倉庫〜最終納品先)
    日本国内での最終配送として、保管倉庫から納品先までの輸送費用がかかります。地域や距離により異なります。

その他、製造に伴う初期費用(版代、金型費、製品校正、検査費、サンプル費など)が別途発生することがあります。商品や数量、仕様によって異なります。

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【3】 中国OEM生産工場の探し方

商品仕様が決まったら、次のステップはOEM生産を委託する中国工場の選定です。適切な工場と出会えるかどうかが、中国OEM成功の成否を大きく左右します。
業界内でも実績豊富で信頼性の高いトップクラスの工場と取引できるのが理想ですが、これは非常にハードルが高いため、複数の手段を駆使してリサーチする必要があります。 特に現地とのやりとりでは、中国語が堪能な通訳者や現地パートナーに協力してもらう方が、スムーズかつ確実です。
工場側にとっても、日本人からの直接のアプローチよりも、中国語でのコミュニケーションの方が負担が少なく、関係構築にもプラスになります。
工場側に通訳がいる場合もありますが、信頼できる専属通訳者と一緒に進めることが、価格交渉や納期調整、トラブル対応においても安心です。
中国工場との取引では、価格交渉・納期調整・品質問題の対応など交渉力が必要な場面が多く、通訳者を介した進行がスムーズかつリスクを減らす鍵となります。

候補となる中国OEM工場が見つかったら、サンプル品の製作依頼と最小ロットでの単価見積もりを確認しましょう。
特に日本市場向けの生産実績の有無は、品質面での信頼性を判断する大きな指標となります。
日本向け製品は世界的に見ても高水準の品質が求められるため、対応経験のある工場は安心感があります。
過去だけでなく、現在進行形で日本向け生産を行っている工場であれば、継続性や信頼性の面でより安心です。
過去実績のみで現在はない場合、品質トラブルや納期遅延などで契約が終了している可能性もあるため注意が必要です。
単に試作品だけで終わったケースもあり、その背景を確認することでリスクを見極めることができます。
日本向けに限らず、欧米など他国向け実績の有無も参考にしながら、総合的な観点で信頼性を評価しましょう。

最終判断の際は、必ず現地工場を自分の目で視察・確認することが成功への近道です。工場の設備、管理状況、スタッフの対応などをチェックしましょう。

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【4】 中国OEM生産現地事務所を設立する方法

4.1 基本的な考え方

中国でOEMビジネスを展開する際、現地特有の規制や行政手続き、予期せぬトラブルに直面することがあります。多くの日本人は、こうした問題に直面すると計画を一時中断したり、最初からやり直す傾向がありますが…一方、中国・台湾・香港のビジネスパーソンは、問題を柔軟に修正・適応しながら前向きに進める姿勢が一般的です。
当社も当初、駐在員の住居を兼ねて中国現地事務所をスタートしました。実際には中国では「住居と事務所の併用」は規制されており、後に正式に分離・対応しました。
問題や規制はつきものですが、柔軟に対応し、前向きに進めることが成功への近道です。

4.2 現地事務所の種類と特徴

現地事務所の種類と比較

居留許可証 販売許可 課税率 資本金 特 徴
①日本法人、日本人が出資して設立する現地法人 とれる 普通 必要
②日本法人の出張所 とれる × 高い 不要 経費に30%課税される
③現地人が出資して設立する現地法人 とれない 低い (必要) 現地人の資本によるもの

当社では当初、信頼する現地通訳者の名義を借りて法人登記を行い、③中国現地法人を立ち上げました。その後、日本人社員が長期滞在する必要が生じ、居留許可取得のために出張所②を追加で設立しました。
出張所では課税負担が重いため、経費処理は③の法人経由で行っていました。日本本社から業務委託契約に基づき、③法人へ送金を行い、現地経費をカバーしていました。
現地販売の拡大を見据え、新たに①法人を設立し、②出張所は役割を終えて登記を取消しました。
その後、③法人名義の通訳者が亡くなったため、③も登記を抹消し、現在は①法人のみを運営しています。
現在は①法人を軸に、中国国内向け販売と、日本への輸出業務の両立を行っています。
工場から人民元建てで商品を仕入れ、海外へドル建てで輸出する貿易実務も現地で行っています。

4.3 スタッフの採用方法

ご自身が中国語をビジネスレベルで使いこなせる場合を除き、日本語・中国語の両方に堪能な専属スタッフを採用することを推奨します。
通訳を兼ねる信頼できるスタッフの存在は、価格交渉やトラブル時に大きな力となります。
提携先の通訳だけでは限界があり、自社専属の人材がいることで交渉力・判断力が格段に高まります。
採用手段としては、既に現地に進出している企業や知人からの紹介、日系人材紹介会社の活用、スカウトなど、柔軟に選択肢を広げることが重要です。日本国内の常識にとらわれず、現地採用市場に合った手段で人材確保を進めましょう。

4.4 スタッフを登用するにあたり

スタッフの給与は、中国現地の相場をベースに、職務内容と能力に応じて適正に調整するのが一般的です。
中国では、年金・医療保険・失業保険などの社会保険加入が義務付けられており、それらを含んだ総支給額で提示・支払いを行うのが基本です。
採用したスタッフが3年ほどで退職するのも珍しくなく、長期雇用を前提にしない柔軟なマネジメントが求められます。能力不足と判断されれば解雇もあり得るなど、中国では日本以上に雇用関係がドライな一面があります。
とはいえ、能力だけでなく人柄も重視し、長く信頼して働けるスタッフと出会えることが理想です。
当社では、提携工場へ出向いての立ち会いや、検品作業にも対応できるスタッフを採用条件としています。

4.5 中国OEM生産に現地事務所は必要か?

中国でOEM生産を行う際、現地法人・出張所・第三者法人の形式の中から、自社の業務内容や進出段階に応じて選定するのが一般的です。進出初期で状況が不透明な場合は、無理に現地事務所を設立せず、フレキシブルな対応を優先するのも選択肢の一つです。ただし、たとえ事務所がなくても、現地専属スタッフの確保は極めて重要です。スタッフは、出張時の同行だけでなく、不在時の現場対応(交渉・検品・納期確認など)を任せられる存在であることが望ましいです。

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【5】 中国OEM生産でよくあるトラブル(失敗)

5.1 サンプルと量産品に差が生じるケース

サンプル製作時に工場に残っていた材料や、ローカル市場で一時的に購入した材料を使用すると、量産時には入手できず、代替材料により製品品質が変わることがあります。その結果、サンプル品と量産品の仕様や品質に差が生じる可能性があるため、注意が必要です。材料の継続使用可否は、サンプル依頼時または仕上がり後に必ず工場に確認をとり、変更があれば事前報告を徹底するよう求めましょう。
材料だけでなく、加工工程や工場そのものが量産時に変わる場合もあります。現地貿易会社など第三者に委託している場合は特に注意が必要です。

5.2 不良品の発生① ~工場が認める場合~

大きなキズ、異物混入、加工ミス、印刷ミスなど、明らかに不良と判断できる品質不良が発生することがあります。一部ではなくロット全体に不良が及んでいる場合もあり、大きな損失となります。このような場合は、工場に再生産を依頼したり、代金の調整、次回ロットでの相殺などの交渉が必要になります。弊社では、不良が判明した段階で全量検品を行い、問題箇所を特定して対応を協議しています。不良分は、次回生産品に充当する・返金してもらう・代替品で補填してもらうなどで調整しています。
検品費用や返品コストについても、交渉次第で一部または全額を工場負担とするよう働きかけます。
こうした手間と損失を防ぐために、可能な限り出荷前に第三者による全数検品を実施することを推奨しています。

5.3 不良品の発生② ~工場が認めない場合~

微細なキズやゴミ、印刷のわずかなズレなど、工場側が「許容範囲」として不良と認めない事例もあります。こうした現象を「加工上の許容誤差」として扱い、保証対応を拒否する工場もあります。それが本当に不可避なものなのか、改善可能なものなのかは内容次第です。工場の改善姿勢が見られない場合は、より品質意識の高い別のOEM工場への切り替えも検討します。
弊社ではこのような場合でも、全数検品を行い、問題のない製品のみを納品しています。許容範囲の品質については事前にお客様に説明し、納得の上での納品を徹底しています。

5.4 表示違い、梱包違いの発生

製品バリエーション(色・サイズなど)が多い場合、表示ラベルやパッケージ内容に誤りが生じるリスクがあります。多くの工場作業員は日本語が読めないため、言語の壁による誤出荷や誤表示が起きやすい環境です。写真付きの作業指示書、ピクトグラム、動画指示など視覚情報で補足すれば、表示ミスの多くは防げます。
弊社では表示・梱包の誤りについても全量検品を実施し、正しい状態で納品できるよう体制を整えています。この種のミスは工場も真摯に対応してくれるケースが多く、改善が期待できます。

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【6】 中国OEM生産で稀にある大きなトラブル(失敗)

6.1 委託した工場が突如倒産

最も深刻なのは、生産途中で工場が突然閉鎖・倒産し、経営者や作業員と連絡が取れなくなるケースです。工場に立ち入ることもできず、製品の回収すら困難になる場合もあります。幸い経営者と連絡が取れ、工場を開けてもらい、途中まで加工された製品を別の工場に移して完成させた経験もあります。
この際は、材料代および中間加工費用は支払ったうえでの対処となりました。
倒産後、未払い給与を求めて工員が弊社現地オフィスに詰め寄ったこともありましたが、状況を丁寧に説明して解決しました。

6.2 委託しようとした工場が失踪

継続発注していた工場が、「次の発注前に材料費を先払いしてほしい」と要請してきたことがありました。信用して支払ったところ、そのまま連絡が取れなくなった=失踪されたという事例もあります。

6.3 一方的な条件を押し付けようとしてくる工場

継続取引中の工場で、発注間隔が開いたタイミングに「次の注文がないと出荷しない」と一方的な条件を突き付けられたことがありました。工場の経営者(総経理)からの通告でした。後に分かったのは、工場側の家庭事情(資金難)によるものでした。

6.4 問題が起きた時の対処方法

海外とのOEM取引では、予期せぬ問題やトラブルが起きるのは珍しくありません。大切なのは、冷静に対応する姿勢です。柔軟に受け止め、ときに寛容に対応することで信頼関係を築くことも重要です。特に初めての方にとっては、理不尽に感じる場面もあるかもしれません。
弊社の現地スタッフも共に状況を理解し、解決策を共に考えてくれます。最終的には日本側が責任を持って対応する意識が、信頼維持と問題解決の鍵になります。

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【7】 中国OEM生産を成功させるためのポイント

7.1 いい工場を探せ

OEM生産は、スムーズにいって当然とされがちですが、トラブルが発生すれば大きな損失や信用低下につながります。日本では当たり前にできることが、中国では文化や価値観の違いからスムーズに進まないことも多くあります。中国OEMに不信感を持って撤退する日本企業も少なくありません。
海外向け輸出の実績があり、特に日本向け製品に慣れている工場を選ぶことが成功の第一歩
です。

7.2 現場・現物・現実を自分の目で確認せよ

電話やメールでは「できます」と回答されても、実際に現場で確認しないとわからないことが多々あります。
自ら行けない場合でも、現地スタッフや通訳に訪問してもらい、写真・動画で状況を確認することが必須です。生産初期、途中、出荷前の各タイミングで現場を確認することで、リスクを未然に防ぐことができます。
「現場・現物・現実」を現地スタッフと一緒に見ることが、トラブル解決の近道です。

7.3 工場の経営者と直接話せ。出来れば食事せよ

現地工場では、できる限り経営者(総経理)と直接話す機会を設けましょう。
担当マネージャーや現場責任者と会うだけでも、信頼構築には非常に有効です。
招待された場合は、可能な範囲で参加することで距離が縮まり、交渉も進めやすくなります。
中国特有の飲食文化もありますが、無理に合わせず、自分のペースで問題ありません。
経営層との直接交流は、OEMビジネスにおける信頼と安定取引の基盤となります。
直接話したり、食事したり、観光したりして、同じ時間を過ごすことで仲良くなるのは万国共通で、醍醐味でもあります。

7.4 工場のキーマンをおさえろ

中国工場との取引では、現場での「キーマン」を特定し、関係構築することが極めて重要です。
キーマンは総経理、工場長、材料担当、検品責任者など多岐にわたります。
実務の判断権を持つ現場リーダーとつながることで、安定した対応が期待できます。
信頼できる人材とは、退職後や転職後も関係を継続し、別工場でも再び協業する
ケースもあります。

7.5 自ら動く通訳との出会い

中国語通訳・バイリンガル人材は、採用までに複数人を面接して比較検討することが重要です。
通訳業務だけでなく、現場対応や調整業務まで積極的に動ける人材を選ぶべきです。
明確な指示・ルールを伝え、それに基づいて自主的に動ける人材が理想です。

7.6 予備の工場を準備せよ

OEM成功の鍵は、品質・価格・納期の安定した生産体制の確保です
中国では原材料費の変動が大きく、取引価格も変動しやすい傾向にあります。
安定供給のため、常に2社以上の工場で見積取得や試作を行い、バックアップ体制を整えておくことが重要です。

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【8】 中国でOEM生産をやることのメリット

最後にOEM生産の拠点として中国を選ぶメリットを以下に書き出してみました。

8.1 日本から近い

中国は日本から近く、アクセスが非常に便利です。日本からの直行便で3〜4時間。中国国内の交通網も発達しており、現地工場まで当日中に到着可能です。時差もわずか1時間で、欧米諸国に比べ移動の負担が少なく、連絡・出張の手間も軽減されます。DHLなどの国際便も翌日到着エリアが広がっており、物流面でも優れたメリットがあります。

8.2 物価が安い

中国は人件費や諸経費が抑えられるため、生産コストを大幅に削減できます。特に内陸部や地方都市では、時給や材料費、工場の賃料などが日本の1/2〜1/5程度に抑えられる場合もあります。日本語対応スタッフの月給も比較的安価で、総合的なコストパフォーマンスの高い生産が可能です。

8.3 仕入先の選択肢が多い

中国には豊富な工場・資材のネットワークがあり、調達の自由度が高いのが強みです。義烏(イーウー)などの卸市場では、170万点以上の商品が流通し、完成品はもちろん、資材・部材・梱包資材まで一括調達が可能です。周辺国での生産でも、中国から部材を輸入するケースが多いことからも、その充実ぶりがうかがえます。

8.4 食事が安くて美味しい

中国の食文化はバラエティに富み、出張時の楽しみのひとつになります。中華料理は種類も多く、地域によって味付けや調理法が異なるため、毎回新しい発見があります。食費もリーズナブルで、出張中の疲れを癒すひとときとしても最適です。

8.5 比較的理解しやすい文化

中国は日本と文化的に共通点が多く、ビジネスでも意思疎通しやすい環境です。漢字文化圏であり、肌の色や価値観も近いため、欧米に比べて文化的ギャップを感じにくいのが特徴です。価値観の違いがある場面もありますが、共通認識を築きやすく、理解し合える仲間にも出会いやすい環境です。

【9】 中国OEM生産のまとめ

中国でのOEM生産には、「距離の近さ」「コスト削減」「仕入れの自由度」「文化の理解しやすさ」など多くのメリットがあります。30年にわたる実務経験をもとに、現場視点でのアドバイスをお届けしました。皆様の事業活動の一助となれば幸いです。

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中国でのOEM生産の注意点!

中国でOEM生産を行う際は多くの利点がありますが、トラブルを避けるために押さえるべき注意点も存在します。事前に理解しておくことで、安定した生産体制を築くことが可能になります。

  1. 中国のOEM工場と直接コミュニケーションできる体制を構築しましょう。
    中間業者が複数入るとコストがかさみ、情報伝達も複雑になります。製品仕様や納期、品質トラブルなどへの迅速な対応のためにも、可能な限り工場の担当者や責任者と直接やり取りができる関係性を築くことが重要です。
  2. 中国の現地でサンプルや量産品の確認ができる検品体制を整えましょう。
    初回サンプル、校正サンプル、量産品、出荷前検品など、すべてを日本で確認するのではなく、中国現地で信頼できる担当者がチェックできる環境が理想です。手違いがあっても現地で即対応できれば、全数ロスや納期遅延のリスクを減らせます。最終確認は、信頼できるスタッフまたは自分の目で行うのが確実です。
  3. 口頭での安心感ではなく、現物確認と現場視察を大切にしましょう。
    「問題ない」「大丈夫」という言葉をうのみにせず、実物を手に取り、現場で生産状況を確認することが品質管理には欠かせません。納品された製品の仕上がりや精度を通して、その工場や担当者の信頼性や対応力も見えてきます。
中国OEM生産のやり方3

文責・福澤成能
「中国OEM生産成功の秘訣」は、福澤成能自身が長年中国の企業との取り引きを繰り返し、
経験から得た成功の秘訣を集約しました。

FAQ

OEM生産の最低ロットを教えて下さい。
商品にもよりますが、大体500~1000個が最低ロットとなります。
手配する材料の最小ロットが基準になることが多いです。
納期はどれくらいかかりますか?
商品にもよりますが、大体校了後50日以上となります。
校了後というのは、サンプルを見て頂いて修正して、最終サンプル決定後からの納期ととなります。
サンプルの納期はどれくらいかかりますか?
商品の難易度によりますが、簡単なものやすでに工場実績のあるものであれば、1週間。難しいものであれば、1か月以上かかるものもあります。
取引条件を教えて下さい。
商品発注時にご注文総額の二分の一。納品後一週間以内に残額をお願いします。
見積もりをお願いするにあたり何が必要ですか?
参考となる商品の画像、簡単な図面、仕様書、梱包形態、納品先、数量、などが必要となります。参考となる商品のサンプルがあるとより正確にお見積り出来ます。