白くする材料・酸化チタンの生産中止

―― 国内化学メーカーに何が起きているのか ――

 2024年以降、日本の酸化チタン業界で注目すべきニュースが続いています。
堺化学工業と石原産業が、それぞれ酸化チタンの一部生産を中止する方針を公表しました。
 酸化チタンは、身の回りの製品に幅広く使われている機能性無機材料です。白色度・隠ぺい力が非常に高く、紫外線(UV)を遮蔽でき、化学的にも安定しており、耐候性・耐熱性に優れていることから、塗料やプラスチックの白色顔料として使用されるほか、日焼け止めや化粧品、屋外用途の材料にも含まれる基礎材料として汎用的に用いられています。
 その酸化チタンを生産してきた堺化学工業は、「顔料級酸化チタン」を2025年末で生産終了としました。一方で、化粧品原料向けや機能性用途向けの酸化チタンの生産は継続します。石原産業は、「硫酸法」による酸化チタンの生産を2027年3月末で終了し、「塩素法」による生産は継続する方針です。
 両社に共通しているのは、「量から質への転換」。低マージンの白色顔料という汎用用途から距離を置き、技術力や信頼性が求められる
UV遮蔽・高性能といった機能性用途の生産に重点を移す判断といえます。
 設備投資や環境対応の負担が重い一方で、大量生産・価格競争に陥りやすい市場では、中国メーカーの存在感も急速に高まっています。
弊社もその影響を大いに受ける、日本の化学メーカーの川下に位置しているので、ますます「質を重視する」動きに対応していく必要があると感じています。